その融資断られる可能性大かも!?事前に把握しておきたい融資申請NG行動集

融資ngのサムネイル

中小企業と融資は切っても切れない関係にあり、中小企業の中には借入金が無ければ事業が継続できない!という会社も多いと思います。

しかし、融資の申請自体が他の手続きと比べて特殊なものであるため、社長や財務担当者が気づかないうちに融資にとってマイナスの影響を与える行動をとってしまっているケースが意外にも多いです。

単純な凡ミスで融資が受けれられない!なんて事になれば目も当てられません。
今回の記事では、その対策として”融資NGとなる可能性のある行動”をまとめておきますので、これを参考に融資申請前の対策を立てて起きましょう!

目次

融資NGになりうる行動NG集

提出用紙の空欄を全て埋めずに提出する

これは特に創業融資関連では要注意です。

融資を受けるにあたって金融機関から多くの提出を求められることになります。

例えば

  • 借入申込書
  • 創業計画書
  • 企業概要書
  • 保証申込関連書類

などなど。書類枚数も多いし埋める箇所も多いので、不注意や面倒くさい・分からないと言った理由で内容を書かなかったり適当に書いたりする人がいますが、本当にNGです。

特に創業融資関連でこれをやってしまうと融資が非常に厳しくなります。

(出典:https://www.jfc.go.jp/n/service/pdf/kaigyou00_190507b.pdf)

私が関わる創業融資希望の方でも、例えば”創業計画書”に内容をほとんど記入せずに持ってこられる方がたまにおられます。上に貼っつけたよく見る日本政策金融公庫の創業計画書です。

これを全然埋めずに来た方にはこう伝えます。

「自分がお金を貸す立場になったと考えて判断してくださいね。内容の薄いペラペラの創業計画書を持ってくる人間にお金を貸すことは出来ますか?この創業計画書で◯◯さんなら自分の大切な資産を貸すことが出来ます?」

大体の人は「これでは貸しませんね!もっとちゃんと埋めて返済計画も教えて貰わないと!」と言ったりします。

大正解です!
どうやら自分がお金を貸す立場で考えると絶対にしないことを、借りる立場になるとやってしまうのが人間のようです。

そこで私は「じゃあ一緒に埋めていきましょうか」と言います(笑)

正直に言ってしまえば、日本政策金融公庫の創業計画書は割とミニマムな計画書です。慣れている人からすれば数十分もあれば埋めきることが出来る計画書と言えます。

日本政策金融公庫からするとそのミニマムな計画書をもとに数百万円レベルの貸出判断をすることになるわけです。

そう考えると、そのミニマムな創業計画書すら埋めて来ない人は「いいかげんな人だな」とか「計画書すら埋められない人が事業をうまく回せるわけがないよ」と思われても仕方無いのではないでしょうか?そして、そう判断されると当然融資審査にはマイナスな影響を与えます。

誤解を恐れずに言いますと、創業計画書は「学校のテスト問題と同じ」と考えるのがベターです。
学校のテストの点数を上げるためには「記述式ならとにかく何か書いて部分点を取りに行く、全く分からなくても選択問題はどれかの選択肢を選ぶ」というのが最も手っ取り早い対策です。

創業計画書も同じように考えましょう。そもそも創業計画書は、積極的にセールスポイントを自らアピールする機会でもあります。そのため、空欄のまま提出してしまうと貴重なチャンスを逃すことになりますので、最低限、空欄が無いように心がけましょう。

税金の未納・滞納がある

多くの融資で税金の未納や滞納が無いことが条件となっていることがあります。
個人の場合だと所得税、法人の場合であれば法人税や事業税ですね。どの融資を選択するかによって対象となる税金は変わります。

自分がお金を貸す立場なら分かると思いますが、「何かしらの未納・滞納」がある人にお金を貸すでしょうか?

貸さないですよね。

それは金融機関も同じです。納税は国民の義務です。納めるものはきっちりと納めてから借入の申込をしましょう!

融資申込時の資金使途と異なる使い道をした

日本政策金融公庫や制度融資では、事業に使うための資金であれば、「機械装置や車両、店舗の建築などに使う設備資金」、「商品仕入や手形の決済・店舗の家賃などに利用する運転資金」のいずれにも利用することが可能です。

しかし、住宅兼店舗の住宅部分の改装工事資金や生活費等のプライベート資金などは融資の対象となりません。また、赤字補てんの資金も原則として融資の対象とはなりません(

赤字補てん資金は原則として融資と対象とならないが、既に多数の借入がある場合などは結果として赤字資金の補填に使われている融資もあります。ただ、そういう時は既存融資の返済を新規の融資で行うという、いわゆる資金繰償還となっていますので、何かしら抜本的な対策をしないと事業者として再度浮上するのは難しいです。

なお、運転資金を設備資金に使うのもNGですので、運転資金名目で借りた資金を設備資金に投入する場合は一度その借入金を他の運転資金の支払いに充てて資金を一周させてから設備資金に利用する必要があります。(設備資金は見積書通りに振り込まれているかの確認も行われるので逆に安心です)

見せ金を利用して資本を作っている

新創業融資などでは最低自己資本の要件が設けられている場合があり、融資を申請する際にその自己資本を満たすために、他から一時的に借りてきて実態以上に多くの自己資本を保有しているように見せかける手口のことを「見せ金」と言います。

とはいえ、日本政策金融公庫でも通帳の原本の提出を求められますので、不明な入金はチェックされ(今回の場合は突然の入金されるまとまったお金)、当該内容に関するヒアリングや証拠書類の提出が求められます。

その結果、その資金が「見せ金」だと判断されると当然その時に融資が出ないばかりか、その後の融資についてもしばらくは借入が出来なくなるペナルティーも有り得るでしょう。自己資金でないものを自己資金と偽って融資申し込みをするのは避けましょう!

また、法人が見せ金を使って資本金を多く見せる行為は「公正証書原本不実記載等罪(刑法157条)」や「出資の履行を仮装した場合の発起人・役員の責任(会社法52条の2条)」に該当し固く禁止されています。債権者などの利害関係者を含む多くの方を騙す行為ですので絶対にやめましょう。

ノンバンクからの借入がある

ノンバンクからの借入があるからと言って、即座に金融機関からの融資がNGとなるわけではありません。

しかし、ノンバンクからの借入は金融機関からの借入と比べると金利が高く正常な経営の阻害要因になる事に加えて、しっかりした経営者で割ればそのような所からは借りないだろうという金融機関側の思惑があります。

従って、企業規模からして多少のお付き合い程度の借入ならまだしも、ノンバンクから多額の借入をしている場合には審査NGとなったり、融資金額の減額要因になる可能性があるでしょう。

もしノンバンクからの借入がある場合には一旦返済して財務をキレイにしてから、銀行へ融資申し込みを行うようにしましょう。

粉飾決算をしている

もうこれは言語道断です!

創業融資のステージが終われば、あとは毎期の決算書・試算表を元に融資の可否が判断されるのが原則ですが、赤字だと基本的に融資は出ませんから、わざわざ利益を出して税金を払うことにより(いわゆる逆粉飾をしてまで)、融資を引っ張ろうとする会社があります。

もしこの粉飾が発覚すれば、(粉飾の程度にもよりますが)、今後の融資は出ないと考えておいた方が良いでしょう。また、粉飾をすると期限の利益を喪失することになるので、既存融資の一括返済を求められたり担保権の実行手続きが行われる可能性もありますよ。

基本的に一度粉飾をしてしまうともう後には戻れません。正常な決算に戻すのはかなり困難なので、粉飾の上塗りを続けなければならなくなります。そうなると、どうしたっていつかは借入金の返済など出来なくなります。

早めに財務・税務の専門家に相談して正常な決算に戻しましょう。

【粉飾関連】減価償却費の計上をストップして利益を出しても意味無し。

粉飾決算と関連するので「融資対策で減価償却費の計上をストップすることの可否」についても見ておきましょう。

ハッキリ言いまして、減価償却費の計上をストップして利益を出す行為は意味がありません。そもそも、金融機関側では償却不足の有無をチェックしていますし、仮に不足があればその分は補正を入れています。見かけ上利益を出しても全く意味が有りませんのでやめておきましょう。

私が金融機関の担当者であれば「まだそんなことやっているのかこの会社・・・」とかなり印象を下げてしまいます。

唯一、減価償却費を止める可能性があるとすれば繰越欠損金の期限切れがあり得る場合ですが、そもそも10年も期限がある欠損金を使い切れない企業は利益もそんなに出てないでしょうから、そもそも減価償却費の計上をストップさせる意味が果たして本当にあるのか?と疑問に思ったりもします。

もし本当にストップしたいのであれば、格付けが意図せず下がったりしないように事前に金融機関にしっかりと根回ししておくことをおすすめします。

参考にどうぞ
借入融資のために減価償却をストップさせても意味はないが、繰越欠損金の期限切れを防ぐためなら仕方ない。 融資をスムーズに受けるために減価償却費の計上をストップして利益を出す!、なぜか融資獲得のテクニックのような事を言われますが、果たしてそんな事をして大丈夫でしょうか?繰越欠損金の期限切れ防止のための減価償却費ストップの話も合わせて紹介していきたいと思います。

前に断られてから半年以上経っていない

これは特段公表されているわけではないですが、一般的に「審査に落ちてからまたすぐに融資を申し込んでも無駄。落ちる。最低でも6ヶ月は感覚をあけましょう。」と言われます。

私のお客様でもそのような事を暗に言われたケースが存在します。

なぜ半年以上あけた方が良いのでしょうか?

それは、このように言われるほとんどの場合で「それ位の期間をあけなければ改善できない要注意事項が存在するから」です。

にも関わらず早期に再申込してもそりゃ通りません。融資審査で否決された要注意事項を潰さないことには融資を受けられません。金融機関担当者と密に連携を取り、否決された理由を把握し改善に努めましょう。

なお、プロパー融資であれば申込金融機関を変えることで審査が通る場合もありますが、保証協会付融資の場合は保証協会で審査が否決されているケースが多いと思いますので、他の金融機関から申し込んでも同じです。

一発で決められるように頑張りましょう。

そもそも融資が不可となるケース

下記のようなケースに該当する場合にはそもそも融資が不可となっているケースが大半なのでうっかり該当することが無いようにしましょう。

次のいずれかに該当する場合(法人の代表者を含む)は利用できません。

  1. 手形・小切手について、不渡後6ヵ月経過していない場合(6ヵ月経過しても不渡手形の買戻しをしていない場合を含む)および銀行取引停止処分を受け2ヵ年を経過していない場合
  2. 破産手続開始、和議、民事再生、会社更生、会社整理等の法的整理を手続中の場合(申立中を含む)、または私的整理中の場合であって事業継続の見通しがたたない場合
  3. 原則として、代位弁済を受け(他の信用保証協会を含む)、その残高が残っている方
  4. 原則として、信用保証協会付きの借入金を延滞している(他の信用保証協会を含む)方
  5. 許認可等を必要とする事業で、許認可等を取得していない方
  6. 12年間登記がなく休眠となっている株式会社
  7. 当協会が、反社会的勢力と判断した場合
  8. 当協会が、以前に信用保証した融資分について、合理的理由なく使途目的に反して他に流用されている場合
  9. 多額な高利借入の残高があり、早期に解消が見込めない場合
  10. 業績が極端に悪化し、大幅な債務超過の状態に陥っており、事業好転が見込めず、事業の継続が危ぶまれる場合
  11. 保証(融資)制度要綱上の留意事項に該当する場合
  12. 業態・事業内容が性風俗関連、非合法関連、賭博性・投機性の高いもの、マルチ商法的なもの、反社会的なものと協会が判断した場合
  13. その他公序良俗に反する等、協会が取扱い不適当と判断した場合

※上記3について、公的機関等が策定した再生計画等に基づく事業再生のための保証を利用される方は、この限りではありません。

出典:兵庫県信用保証協会|ご利用頂けない方

このような条件に該当すると、そもそも申し込んでも意味がないという話になりますので、申し込む前にしっかりと確認しておきましょう。

    まとめ

    以上、融資審査においてNGとなる行動をまとめてきました。

    で、やっぱり融資を受けるには黒字を出すこと含め、やるべきことをしっかりやるってことが一番大事だと思います。

    そして、融資をスムーズに受けたいのであれば、財務的には以下の2要件は最低でも満たしておきたいところです。

    ①資産超過(理想は自己資本比率30%以上)
    ②債務償還年数10年未満(理想は債務償還年数3年未満)

    上記満たせていない!という企業さんはBS/PLの磨き上げに力を入れていった方が長い目で見て安心できると思います。我々は融資支援もしておりますので、なかなか金融機関からお金を借りられないという企業さんは是非お声がけください。

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