飲食店最大1000万円補助!外食産業事業成長支援補助金とは?採択へ向けてのポイントまで紹介

外食産業事業成長支援補助金
外食産業事業成長支援補助金

令和5年度二次公募の採択者は下記ページで2023年9月11日(月)に発表されました。

外食産業 事業継続緊急支援対策事業 2次補助対象事業者向けのご案内 | JMAC

目次

【終了済】令和5年度の二次公募受付開始→採択者発表は9月11日(月)

外食産業事業成長支援補助金の二次公募の受付が開始されます。

受付期間:令和5年7月14日(金)~7月31日(月)17:00まで
実施期間:交付決定日~令和6年2月15日

受付期間は約2週間と非常に短いです。

もう少し受付期間長くしてほしいですね。・・・。

令和4年度の二次公募の採択率は15.4%だったので、見送りも一つの手段かもしれません・・・。

第3次公募はあるのか?

令和4年度は第2次公募まででした。

現状(2023年10月11日時点)、JMACのHPを見ても第3次公募についてのお知らせは出ていませんので、第3次は無いような気がします・・・。確定ではないですが。

外食産業事業成長支援補助金とは

外食産業事業成長支援補助金とは、農林水産省が提供する補助金プログラムであり、外食業界の企業や店舗が経営の課題を解決し、成長を促進するための財政的な支援を行うものです。この補助金を活用することで、新たな設備や装備の導入、人材育成、マーケティング戦略の強化など、様々な経営施策を実行することができます。

例えば、補助金を活用してメニュー開発や店内リニューアルを行い、集客数と売上を大幅に伸ばした外食店舗や、デジタル化を進めたことで効率的な経営と顧客満足度の向上を実現した外食チェーンなど、数々の成功事例が存在します。

この記事では、外食産業事業成長支援補助金の申請手続きや要件、審査を通すためのポイントなどを解説していきますよ。

ちなみに、外食産業事業成長支援補助金は㈱日本能率協会コンサルティング (JMAC)という会社が事務全般を請け負っているようで、公式サイトへは以下のリンクからいけますよ。


補助金概要

では、まず最初に外食産業事業成長支援補助金の概要について簡単にまとめていきますね!

補助率、補助金下限・上限の金額

 補助率: 1/2以内
 補助金: 上限1,000万円以下、下限100万円以上
 ※総事業費200万円以上の計画を対象とします。

最低でも200万円以上の投資が必要な補助金です。
投資額が100万円程度のものは小規模事業者持続化補助金の利用を検討してみて下さい。

公募受付期間(2次公募)

2023年7月14日(金)~7月31日(月)
 ※応募書類は2023年7月31日(月)17時までにWEBの応募フォームからの提出が必要です。

第1次公募は既に終了しています。予算規模が小さいようなので令和5年に第2次公募があるかどうかは不明ですが、1次公募に間に合わなかった方でも準備しておく事自体は損にはならないと思います。

→二次公募ありました!

なぜなら・・・考えた計画は事業再構築補助金やものづくり補助金あるいは小規模事業者持続化補助金などに転用可能だからです。2次公募が無かった時は、そちらの利用も考えてみて下さい。

参考にどうぞ
事業再構築補助金申請支援サービスの内容・料金 事業再構築補助金申請支援サービスの内容・料金・利用の流れなどを説明しております。経験ある公認会計士が採択される事業計画書作りをサポート致します。無料相談もありますので、お悩みの方はまずお問い合わせください。

応募事業者の要件

応募事業者の要件は少し複雑で、以下の5つの要件に該当した上で“1団体以上の共同事業者”と一緒になって申請する必要があります。

①飲食店であること(「飲食店営業」又は「喫茶店営業」の許可を得ている飲食店を営む者)であること)

実店舗をもって経営していることも必要です。また、接待を伴う飲食店は対象外なので注意しましょう

②令和3年度と令和4年度の売上を比較した時に、売上伸長率が115%で以下であること

令和3年度の売上が100、令和4年度の売上が110なら売上伸長率110%なので応募対象。
令和3年度の売上が100、令和4年度の売上が120なら売上伸長率120%なので応募対象外。

ただし、対前年度比115%を超える者であっても、新型コロナウイルス感染症拡大以前の令和元(2019)年度比で令和4(2022)年度の売上伸長率が100%以下の事業者は対象となるので、コロナ以前から事業を行っている人はこちらも要チェック。

また、ここでいう令和3年度とか令和4年度は事業者の決算月に関わらず「1月1日~12月31日」の暦年を対象としています。

公式サイトに

※令和3(2021)年度の事業期間が1年未満の事業者は応募対象とはなりません。

https://jmac-foods.com/adopted/1346/

との記載がありますので、令和2年(2020年)中もしくはそれ以前に開業していないと応募対象となりません。

③飲食店事業以外の事業も営んでいる場合は、令和4(2022)年度の飲食店事業の売上割合が70%以上であり、飲食店事業とその他事業を区分した売上・経費を証明できること。

外食産業事業成長支援補助金は名前の通り、飲食店向けの補助金ですから飲食店以外の事業が売上の柱となっている事業者には支給しませんよ、という事ですね。

④ 以下のいずれかの要件を満たすこと。

ア(中小企業) 資本金5千万円以下又は従業員数が50人以下であること。

イ(中堅企業)資本金の額又は出資の総額が10億円未満(資本金の額又は出資の総額が定められて> いない場合は、従業員数が2,000人以下)の法人(アに該当する者を除く。)であること。

⑤同じ応募内容でその他の補助金等の交付対象者又は交付候補者になっていないこと

※農林水産省のみならず他省庁、地方公共団体等の補助金、委託費、交付金等を含めて全ての補助の対象になっていないことが必要です。

ただし、まだ申請段階の場合は同じ応募内容で申請しても構いません。どちらも採択された場合にはどちらか有利な方を利用し、もう一つは辞退する形になると思います。

なお、応募内容(事業内容)が異なる場合には当然複数申請可能ですよ。

共同事業者ってどんな人が該当するの?

共同事業者とはどんな人の事を言うのかというとこんな人たち。

コンサルタント、金融機関、中小企業診断士、税理士、公認会計士、機械・機器・システムの製造・販売業者、施設・設備の建設・施工業者、飲食関連サービス提供者及び資本関係にない他の飲食店等であって、事業成長のために事業実施者と共同して事業の計画及び実施内容の検討、実施・報告支援を行う事業者

要は、応募者と資本関係のない他の事業者のことで事業成功に向けて伴走してくれる存在、と考えれば良いでしょう。

応募申請書類として、”共同事業者”に関して以下の書類の提出が求められているので

①会社概要
・会社名、業種、資本金、従業員の項目が分かる資料
(会社パンフレットで可)
・これまでの類似の支援実績(対象業種・飲食店の種類、支援テーマ、支援期間、成果)が分かる資料
②支援計画書
・支援計画書には、共同事業者としての役割、テーマ、支援内容、スケジュール、期待成果を記載

結構、支援者も選ばれる感じですね。

「事業成長支援」の主な取組み事例

公式サイトでは「様々な経営環境変化の中で事業継続および事業成長が可能となる”業態転換等”の計画を対象とする」と記載されており、「業態転換等」とは、例えば以下の例が考えられます。

(1) 現在扱っている商品・サービスの内容を変える

例:居酒屋から焼肉店に転換する
・テイクアウト・デリバリー用のメニューを開発する
・新しい食材とメニューで新たな顧客を獲得する
・飲料の計量自販機を設置し、お客様自身で受け取る仕組みをつくる
・お客様のスマホを活用した、多言語セルフオーダーシステムを導入する
・アレルギー対応メニューの開発・表示の見直し等により、顧客層を拡大する  など

(2) 商品・サービスの提供方法を変える
例:イートインからテイクアウトを拡大するため販売窓口を設置する
・キッチンカーを改装し、店舗外での販売を強化する
・店舗での人気商品をECサイトで全国に販売する
・半加工品の冷凍保存による、調理時間の短縮と業務効率化を図る   など 

https://jmac-foods.com/adopted/1346/

業態転換等に該当するモデル取り組み事例集が公式サイトで公開されているので、こちらを見ていただくともっとイメージが湧くと思います。

『外食産業事業継続緊急支援事業のうち業態転換等支援事業』モデル取組み事例集

補助対象経費

建物費

補助事業のために使用される事務所、生産施設、加工施設、販売施設、検査施設、共同作業場、倉庫など建物の建設・改修に要する経費など

機械装置・システム構築費

専ら補助事業のために使用される機械装置、工具・器具(測定工具・検査工具等)の購入、製作、借用に要する経費など

技術導入費

本事業遂行のために必要な知的財産権等の導入に要する経費など

運搬費

本事業に要する資材等の運搬料、宅配便・郵送料等に要する経費など

広告宣伝・販売促進費

本事業で開発又は提供する製品・サービスに係る広告(パンフレット、動画、写真等)の作成及び媒体掲載、展示会出展(海外展示会を含む)、セミナー開催、市場調査、営業代行利用、マーケティングツール活用等に係る経費など

研修費

本事業の遂行のために必要な教育訓練や講座受講等に係る経費など

委託費

本事業を遂行する上で、特殊な知識・技術等を必要とする場合に、事業の一部を、能力を有する第三者に委託する経費など

事業再構築補助金と同様に「建物費」が補助対象経費に入っているのは、抜本的な改革を行いたい事業者さんには朗報です!

応募までの流れ

応募は完全にWEB申請です。

STEP
WEBの応募フォームより必要事項を入力・送信して、応募IDやパスワード、資料提出サイトのURLを入手する
STEP
公募要領に定める資料等を作成・収集後に①の応募サイトよりアップロードする。

この2ステップが必要となります。

最近の補助金は完全にデジタル化に舵を切っているので、WEBが苦手な人にとっては大変かもしれませんが、ここは頑張りましょう。

外食産業事業成長支援補助金その他のポイント

続いて、外食産業事業成長支援補助金を応募するにあたって把握しておきたいポイントを簡単に紹介します。

採択率は30%以下が続く!かなり厳しいです

JMACの採択者決定のお知らせからまとめてみました。

公募回数有効応募数採択数採択率
R4年1次公募512件141件27.5%
R4年2次公募181件28件15.4%
R5年1次公募369件111件30.0%
R5年2次公募132件37件28.0%

かなり厳しいですね。特に2次公募は予算も少なくなって・・・というタイミングなのでめちゃくちゃ採択率低いです。恐い。

ちなみに、下記ページは令和4年度の1次公募の採択発表ページです。ここに採択された事業者名や事業計画名と合わせて受付番号が記載されているのですが、

こちらをチェックしたところ最も大きい受付番号は682番となっています。従って、応募総数自体は最低でも682件はあったのでは?と考えます。

そう考えれば、170件(682件-512件)は書類不備等で選考対象外になっているので、応募する際は書類不備の無いようにする必要がありますね。ちなみに令和4年度1次公募を応募総数で採択率を出すと「20.7%(141件÷682件」です。

事前着手は認められない

事業再構築補助金では事前着手制度がありますが、外食産業事業成長支援補助金に事前着手制度はありません。必ず採択されて交付決定を受けてから発注を行いましょう。そうしないと補助金が出ません。

そういう意味では、わざわざ採択率の低い外食産業事業成長支援補助金に挑戦するよりは事業再構築補助金の方が良いのでは?とも思ったりしてしまいますね。

その他、気になるQAは公式サイトで結構厚めに記載されていますので、そちらも御覧くださいね。

外食産業事業成長支援補助金の採択されるためのポイント!

読者の皆様が知りたいこと・・・それはズバリどうやったら採択されるか?ですよね。


以下それを解説していきます。

審査基準を理解しよう!

補助金全般そうですが、採択されようと思ったら公募要領に記載されている「審査基準」をよく読まないとダメです。今回の外食産業事業成長支援補助金の公募要領ではP20に審査基準が記載されておりますよ。以下引用します。

1.事業内容
①事業内容が、事業成長を行うための施策として明確かつ具体的になっているか。
②事業内容に見合った経費で、精度の高い積算がなされているか。
③事業内容が、単に自社に対してだけではなく、優良事例として広く普及が期待できるものであるか。

2.実施方法
④実施スケジュールが、事業を効率的に進め、本事業の期間内に無理なく完了させる内容となっているか。
⑤事業を着実に実施できる体制(共同事業者の支援内容を含む。)を有しているか。
⑥事業を着実に実施できる経営(財務)基盤を有しているか。

3.成果目標
⑦事業の成果目標の設定理由およびその水準(定量値)が妥当か。
⑧成果目標を検証できる仕組みが講じられているか。 (例えば、データの取得・検証方法など)

R4補正 外食産業事業成長支援補助金_公募要領_v8-1.pdf

また、外食産業事業成長支援補助金の公式サイトにアップされているセミナー資料に採択審査のポイントが記載されているので、そちらも引用しておきます。公募要領の審査基準の一部を具体化した内容ですね。

●飲食店事業の事業成長につながる取り組みとなっているか。
●販路の拡大や人件費抑制といった飲食事業の重要な課題解決につながっているか。
●単一ではなく、複合的な取り組みとなっているか。
⇒例えば、設備を導入するだけでなく、メニュー開発や販促を合わせて取り組む、など
●事業の継続性や投資回収の視点、この補助金を活用して取り組む必要性といった視点で計画されているか。
●同じテーマでも商圏や競合によって成否が異なることがあり、そこが踏まえられているか。
●アフターコロナでの事業成長を見据えた視点が織り込まれているか。
⇒例えば、客数増加、客単価、インバウンドや団体・グループ需要の獲得などと事業内容との関連性、取り組み効果など

【1次】R4補 外食産業事業成長支援補助金_QAセミナー資料_WEBサイトアップ版0424

これらの審査基準を満たした事業計画書を作成するのが採択への第一歩というか、肝です。

書き始める前に構成を考えて、これらの審査基準を事業計画書の中に散りばめながら、ストーリーを作る。採択されるポイントはそこです。

ページ数も大事!A4用紙で10ページ前後は欲しい

事業再構築補助金やものづくり補助金だと事業計画書は「A4で10ページ」とか「A4で15ページ」までに収めて下さいという指示がありますが(義務ではない)、今回の外食産業事業成長支援補助金はページ数の規定はありません。

極論言えば、別にA4用紙1枚でも良いし、100枚でも良いというスタンス。

審査時間の問題もあるので、審査員が読めないようなボリュームの事業計画書を提出するのは論外ですが、だからといってA4用紙1枚とか2枚の計画も論外です。

補助金1,000万円クラスだと経産省管轄の事業再構築補助金やものづくり補助金だと「A4用紙10枚」になるはずなので、外食産業事業成長支援補助金においても10ページ前後が目安になるかなと思います。

というか、上記の審査基準を満たした合理的かつ具体的な事業計画書を作成しようと思ったら、それくらいにならざるを得ません。計画書がスイスイ書ける人だったら、むしろ10ページだと足りないなと感じると思います。しっかりと書きましょう。

まとめ

では最後に外食産業事業成長支援補助金のポイントをまとめておきます。

  • 外食産業事業成長支援補助金の補助金上限額は1,000万円で補助率は1/2
  • 最低投資額は200万円からなので、200万円より小さい場合は小規模事業者持続化補助金などの別の制度を検討する
  • 採択率は20%台とかなり低め
  • 事前着手制度なども含めて考えれば事業再構築補助金の方が使いやすいかも

という感じでしょうか?

初めて事業計画書を作成する人が、自分一人で外食産業事業成長支援補助金を通すのは割りと難易度が高いのではないかと思います。

費用はかかってしまいますが、我々のようなプロに依頼することもご検討下さい。

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