JLOX(先進的ビジネスモデルへの転換支援「ビジネスモデル枠」)がスタート

JLOX用のサムネイル

ライブエンタメ系の方々にとって非常に有意義なJLOX補助金ですが、新しい申込枠、その名も「ライブエンタメ産業の先進的ビジネスモデルへの転換支援(ビジネスモデル枠)」がスタートしました。

事業基盤強化枠の補助金事務局は「株式会社読売広告社」でしたが、ビジネスモデル枠は文化系補助金でお馴染みのVIPO(ヴィーポ・映像産業振興機構)が事務局となっています。

以下、ビジネスモデル枠の詳細について見ていきましょう。

⇒ 【VIPO】JOXビジネスモデル枠公式ページはこちらから

申請支援サービスの案内
JLOXの申請支援サービスの内容と料金(コンテンツ海外展開促進・基盤強化事業費補助金) JLOX(ジェイロックス)とは、国内のライブエンタメ等のコンテンツ産業の活動を下支えすることを目的とした補助金です。当事務所では各種補助金申請支援業務の経験とコンテンツ作業従事者をサポートしたいという意思からJLOXの申請支援サービスを提供しています。この補助金を活用して皆さんのコンテンツを世界に発信していきましょう!
目次

【JLOX】ビジネスモデル枠と事業基盤強化枠の比較

ビジネスモデル枠と事業基盤強化枠、補助金事務局は違えどJLOXはJLOXです。まず、両者のチラシを比較してみましょう。

ビジネスモデル枠のチラシ。

JLOX(先進的ビジネスモデルへの転換支援「ビジネスモデル枠」)のチラシ

「事業基盤強化枠」のチラシはこちら。

2つの枠を比較してみましょう。

項目事業基盤強化枠ビジネスモデル枠
冒頭記載国内のライブエンタメ等のコンテンツ産業を下支えし、収益力回復に向けたイベントの実施を支援します。国内外を問わず、より洗練されたライブエンタメ等のビジネスモデルの発掘に繋がる、更なる応用的な取組への期待度が高い事業を中心的に支援します。
申請要件①ライブエンタメイベントの主催者が、日本国内において、何らかのデジタル技術を1つ以上取り入れた「コンテンツに関するイベントを実施すること①イベントの主催者が、高度なデジタル技術(※)を1つ以上取り入れた「コンテンツに関するイベント」を実施すること。
※単に取組そのものを評価するものではなく、効果的な取組を組み合わせて実施することなどを通じて、「経済価値の創出」や「顧客体験の価値向上」につながるような、新たな付加価値を高める取組などを想定しています。
②計画上、上記の取組により、当該イベントの収入が支出を上回ること

※ 収入に補助金を含めても良い
②-a:国内で開催されるイベント:計画上、 当該イベントによる収入が支出と比して120%以上見込まれていること。
②-b:国外で開催されるイベント:計画上、上記の取組により、当該イベントの収入が支出を上回ること。

※ 収入に補助金は含めてはならない
③無し③補助対象経費が1億円を超えていること(補助対象経費が5,000万円を超えている場合、外部審査委員会の判断により対象となる可能性はあり)。
補助額1件当たり 上限 2,500 万円
(1事業者につき20件もしくは1億円まで)
1件当たり 上限 1億円
(1事業者の申請上限はありません。)
補助率1/21/2
補助対象経費にならないものの例示右記も対象・書面作成代行費(行政書士等)
・経理書面確認費(税理士、公認会計士)
・減価償却・固定資産税相当費用(自社所有の場合の会場のみ)

並べると違いが良く分かりますね。

基盤事業強化枠の方は零細事業者も応援しますよ!というテイストをかなり感じます。事業基盤強化枠では認められていた費用がビジネスモデル枠では認められていません。要件が全体的にビジネスモデル枠と比べて大分軽いです。

一方でビジネスモデル枠は、わざわざ「より洗練されたライブエンタメ等のビジネスモデルの発掘」とか「高度なデジタル技術」という記載をしているので、アフターコロナの中で日本のエンタメ産業のレベルを上げるためのビジネスプランを考えてコンテンツ作ってねという感じですね。ビジネスモデル枠の方がレベル感高めです。

それを証拠に、ビジネスモデル枠は補助対象経費が原則1億円を超えることが申請条件になっています。どちらかというと大規模事業者向けという感じですかね。

公募要項に記載されている「補助金の目的」にも以下のように記載されているので、事業基盤強化枠よりも高度なことを求めているのは間違いないでしょう。

JLOXビジネスモデル枠のイメージ
合わせてどうぞ
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JLOXビジネスモデル枠の詳細

応募期間・実施期間スケジュール

応募期間等のスケジュールは以下の通り。

JLOXビジネスモデル枠の応募期間

第1回~第3回まで切れ間なく公募は行われますが、事業完了期限は各回共通で「2024年1月31日」であることに注意しましょう。

また、予算に限りがあることも踏まえると早い公募回の採択率のほうが高くなる可能性が割りとあります。

補助金の対象となる事業の範囲は?

補助対象となるイベントは以下の要件を満たすものです。

  • 日本発のコンテンツであること
  • コンテンツ分野(文化芸術基本法(平成 13 年法律第 148 号)第8条から第 11 条に 定める文化芸術分野のうち、「実演を伴うイベント(第9条に掲げるメディア芸術については、実演は必須ではありません。)」を実施する事業

このあたりは事業基盤強化枠と同じですね。

申請できる人は?

まず、前提として申請主体は「イベントの主催者である法人もしくは地方公共団体」です。個人などの法人格を持たない方は申請できませんので、まず法人を設立しましょう。

補助金の申請単位は?

原則として「1イベント」ごとです。具体的には「1つのイベントとしてチケットを販売を行う単位」です。よって、基本的に開催日が複数日・もしくは複数の時間帯にまたがるイベントは複数回の申請が必要です

ただし、例外として演目が同一のイベントについては、複数日・複数時間帯にまたがるイベントを1申請として行うことも可能ですよ。

申請要件は?

申請要件は以下の3つを満たしているものです。

国内開催イベントに関しては計画上の収入が支出と比して120%以上見込まれていることとなっており、確実に利益を出すことを求めています。国外開催イベントも最低でも「収入>支出」となるものを作りなさいとなっていますね。

また、補助対象経費は基本的に最低1億円超から。補助金は後払いが原則ですから、これはかなり大きめです。本気でライブエンタメ産業を活性化するための補助金という感じです。

補助金上限額及び補助率

1件の申請につき 1 億円(補助金額:補助対象経費 × 補助率)
(1事業者の申請上限は無し)。

補助率は1/2です。

◯補助対象経費となるもの

<出演関係費>
出演料

<制作関係費>
演出関係費
権利使用料
舞台制作費
舞台スタッフ費
運搬費
映像撮影費
交通費・宿泊費
保険料(当該イベントに係るものに限る)

<広告・宣伝費>
イベント広告・宣伝費(媒体費・制作費いずれも対象)
※広告・宣伝費の合計額を、補助対象経費の 10%以内とする   
  
<会場関係費>
会場施設使用料
付帯設備費
施設維持費(自社所有の場合の会場のみ)

<運営関係費>
運営スタッフ費
チケット販売関係費(払戻し手数料を含む)
光熱水料
配信関係費
感染予防対策費(新型コロナウイルス感染症への感染の有無を確認するための検査費を含む)

<消費税>
消費税等を補助対象経費に含めて補助金交付申請額として申請しその内容で交付決定を受けた免税事業者、簡易課税事業者、消費税法別表第三に掲げる法人のうち消費税等仕入控除調整を行わない事業者のみ、対象経費となります。

免税事業者等は消費税も対象となると記載されていますが、この規模のイベントを実施する事業者の場合は殆ど本則課税の事業者でしょうから、基本的に消費税は補助対象とならないと考えておいた方が良いです。

✕ 補助対象経費とならないもの

<イベントの実施に関する費用における補助対象外経費>

  • 楽曲・脚本等の企画・制作費
  • 社内人件費
  • 銀行の振込手数料
  • 物販・飲食関係費
  • 交際・接待費
  • 消費税

<申請・報告に関する費用>

  • 書面作成代行費(行政書士等)
  • 経理書面確認費(税理士、公認会計士)

基盤強化枠で認められていた「申請・報告に関する費用」が対象外となっているのは専門家からすると辛いところです。

補助金取消事由(全額補助金がもらえなくなる)

以下のいずれかに該当すると交付決定取消となります。つまり、補助金全額もらえません。

  • 申請時に予定していた「高度なデジタル技術」に関して、確定検査時に実施していないことが発覚した場合
  • 実績報告時に補助対象経費が5,000万円を下回った場合

補助金減額事由(50%減額)

以下の場合は補助金支払額が50%減額されます。

  • 当該イベントによる収入が総経費と比して100%を下回った場合(ただし、国外開催イベントに関しては減額事由とならない)

補助金採択へのポイント!審査基準など紹介

VIPOのページを見ると予算は50億と記載されています。

原則として補助対象経費が1億円以上で申請1件あたり補助金が5,000万円交付されることを考えると「50億÷5,000万円=100件」となります。補助金額の大きさと比して予算は小さめですので中々厳しめの戦いになるんじゃないかなとも思います。

が、そんなことも言っていられないので以下、審査基準を見ていきましょう。以下の2つに分けて紹介していきます。

  • ①高度なデジタル技術を活用した取組
  • ②公募要項に記載された審査基準の紹介+企画書

高度なデジタル技術を活用した取組とは?

ビジネスモデル枠に関しては、申請にあたって以下のように{高度なデジタル技術を活用した取組を1つ以上取り入れた「コンテンツに関するイベント」を実施いただく必要がございます}と記載されています。

イメージは以下のとおりですね。

「高度な」と言われると身構えてしまいますが、これに関しては事業基盤強化枠の「①コンテンツ自体のデジタル化に関する取組」「②コンテンツの展開・配信・収益化に関する取組」を参考にすればいいと思います。ビジネスモデル枠のFAQにも一例として以下のようなものが挙げられています。

JLOX事業基盤強化枠公式サイトはこちら

あとはその組み合わせですね。

イベントによって出来るもの・出来ないものがあると思いますが、複数の取組を複合的に行って新たな経済価値・顧客体験の価値向上に繋げた運営が求められるようです。

※高度なデジタル技術の活用とは、単に取組そのものを評価するものではなく、効果的な取組を組み合わせて実施することなどを通じて、「経済価値の創出」や「顧客体験の価値向上」に繋がるような、新たな付加価値を高める取組などを想定しています。

公募要項に記載された審査基準の紹介

公募要項では審査基準が以下のように紹介されています。

少し抽象的な部分もあるかなと思いますが、「事業応募フォーム(word)」に、「費用の合理性」を除くすべての審査項目に関して記載枠がわざわざと用意されていますので、一つ一つ丁寧に潰していくことが採択へのポイントだと思います。

また、申請書類として「企画書」の添付が求められていますので、「事業応募フォーム(word)」で書ききれなかった情報を如何に「企画書」で補足するか?というのも大事なポイントだと思いますよ。

エンタメ産業の方は企画書を上手に作られるイメージがありますので、「事業応募フォーム(word)」及び「企画書」を通じて「なぜ、あなたのイベントに対して補助金を支出しなければならないのか?」、審査員を納得させるものを作り上げてください。

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