事業再構築補助金の採択率の推移をまとめていきます。
事業再構築補助金の補助金交付候補者の採択結果ページに記載されている情報をExcelにまとめていますので、Excelも置いておきます。ダウンロードしてご自由にお使いください!
⇒ 【Excel】事業再構築補助金推移率データ集計表(第1回~9回)
申請枠別採択率の推移
申請枠については事業再構築補助金公式サイトの記載に準じて記載しています。
第1回~第9回の採択率の推移
通常枠とか最低賃金枠とか緊急事態宣言特別枠とか色々な申請枠があるのですが、最も申請件数の多い「通常枠」と全ての申請枠を合算した「全体」での採択率の推移をご紹介します。
通常枠は加点が少ないので全体と比べて採択率は低め。30%~50%の間。といっても全体でも36%~51%なのでそこまで変わりありません。
通常枠も全体枠も基本的には回を追うごとに採択率が高くなっています。
これは、リベンジ案件の増加や民間事業者の補助金対策レベルが向上したことによるものかなと思います。
第9回は採択率が下がっていますが、第9回はかなり変則的に組まれたもので、申請可能な事業者は既に第8回で応募していたこと、予算が上限に達してしまったなどの可能性により若干下がったと考えられます。
第1回~第9回申請枠別の採択率
第1回~第9回の採択率上位の申請枠
採択率が60%以上のものに絞って、採択率の高い順に並べてみたところ以下のような結果になりました。
目につくのは「最低賃金枠」の採択率の高さですね。
この20年から30年、社会保険料アップや増税により国民所得はほとんど増えていません。お金がないから結婚できないという若者も多く、少子化にも歯止めがかかっていません。
そんな状況に歯止めをかけるべく、賃金の上昇を約束する事業者にはかなり甘めの採点をしているという感じです。
2022年は2年連続で最低賃金が過去最高の情報を見せましたし賃金アップはもはや国策です。なので、賃金アップを実施する事業者を優遇する流れはしばらくは変わらないでしょう。
業種別採択率~採択される可能性が最も高いのは製造業~
続いて業種別採択率を見てみましょう。
第1回から9回の結果を業種別に集計し、全業種合計の平均採択率との差異を示します。
製造業の採択率が飛び抜けて高いですね。
ちなみに公募回別・業種別に集計して採択率の高い順番に並べると以下のようになります。
製造業は第1回公募を除いて全て50%を超える採択率です。
製造業の場合は、補助金を使った設備投資の目的が明確で分かりやすいですからね。なぜ、補助金でその設備投資が必要なのかを説明しやすいです。そのため、審査員からの受けも良いのでしょう。
あとは、宿泊業・飲食業も高いですね。これはコロナで打撃を受けている数が多いのも一つの理由でしょう。
【注意】実は審査にすら回されてない案件が10%ある!?
第1回から第3回までの採択結果発表では、実は応募件数に加えて「申請件数」という数字も紹介されていました。
申請件数とは、「事業計画書が審査に回された件数」のことを指します。その結果をまとめてみました。
なんと、申請不備で審査にすら回っていない案件が13.5%(第1回の場合)もあります。
用意する書類が多いですからね。ある程度審査にすら回らない案件が出てくるのは仕方ない事といえば仕方ないことなのかもしれません。
第4回採択結果より公表されなくなった理由は不明ですが、直近の公募でも申請不備・書類不備で審査すらされていない案件は少なくとも5%くらいは有るんじゃないかなと思います。
せっかく頑張って事業計画書を作ったのに不備で不採択となると悔やんでも悔やみきれません。
我々のような専門家がサポートしていれば防げた案件も沢山あるように思いますので、事業再構築補助金の申請をお考えの方はぜひ当事務所の「事業再構築補助金申請支援サービス」の利用もご検討ください!